
新しく始まった新NISA。旧NISAから何が変わったか気になりますよね。
新NISAはこれまでの制度から大きく変化しました。
本記事ではそもそもNISAってなに?という疑問や、旧NISAと何が違うの?など新NISAの仕組みをわかりやすく解説します。
そもそもNISAって何?
NISAとは株式や投資信託などで得た利益(売却益・配当など)が一定の範囲内で非課税になる制度です。
本来、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座で投資して得た利益は税金が免除されます。
新NISAと旧NISAの違い
1 非課税保有期間が無期限
旧NISAでは非課税保有期間、つまり税金がかからない期間が一般NISAが最長5年間、
つみたてNISAが最長20年でした。
新NISAはその期間が撤廃され、どれだけの期間保有していても非課税となります。
2 口座開設期間が恒久化
旧NISAでは、口座の開設に期限がありました。つみたてNISAが2042年まで、一般NISAが2023年までに口座を開設して投資を開始しないといけませんでした。
新NISAはその期限がなくなりました。よって、いつでも口座の開設して、投資をはじめることができます。
3 非課税保有限度額(総枠)が上昇
非課税保有限度額とは、一人が非課税で保有できる最大の金額です。
旧NISAでは、つみたてNISAは1年間での最大投資額は40万円、最長20年間の投資で最大800万円、 一般NISAは1年間での最大投資額は120万円、最長5年間の投資では最大600万円でした。
新NISAの非課税保有枠は1800万円(内、成長投資枠は1200万円まで)です。
旧制度よりも非課税枠で投資できる額が増額したため、資産形成の可能性が広まります。
4 年間投資上限額
年間投資上限額は1年間で投資できる上限の金額のことです。
種別 | 1年間の上限 |
つみたて投資枠(旧NISA) | 40万円 |
一般NISA(旧NISA) | 120万円 |
つみたて投資枠(新NISA) | 120万円 |
成長投資枠(新NISA) | 240万円 |
旧NISAはつみたて投資枠は最大40万、一般NISAは最大120万でした。
新NISAではつみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円で年間360万円まで可能になりました。
ちなみに360万円以上は、特定口座や一般口座を使用しなくてはいけません。
つまり360万円以上の投資をしたい場合は、税金を払うことになります。
5 つみたて投資枠と成長投資枠を併用できる
旧NISAでは、つみたて投資枠と一般NISAのどちらか片方しか利用することができませんでした。
新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠の両方を使うことができるため、柔軟に投資をすることができます。
積み立て投資枠と成長投資枠とは?
積み立て投資枠とは
積み立て投資枠とは旧NISAの制度を引き継いだものです。
この枠は金融庁が厳選した商品に対して使うことができます。
つみたて投資枠内の商品は長期・積立・分散投資に向いており、投資信託の初心者でも投資しやすいものとなっています。
成長投資枠とは
国内外の投資信託のほか上場株式に対しても使用することができます。
つみたて投資枠よりも投資ができる商品が多いのが特徴です。
新NISA運用のメリット4選
1 非課税期間を気にしなくてもよい
旧NISAと違い、新NISAは非課税期間に制限がありません。
よって、より柔軟な運用が行うことができます(例えば非課税期間が過ぎそうで、売却するタイミングを考える必要がないなど)。
2 非課税額が増額
新NISAは旧NISAと比べ非課税の金額が大きくなりました。税金の控除を受ける額も増額し、資産形成がしやすくなります。
3 売却して空いた枠を再利用できる
新NISAは株式を売却して空いた枠は、翌年に再び使えます。
4 つみたて投資枠は、購入するタイミングを考えなくてもよい。
毎月決まった額を口座から引き落とすように設定すれば、あとは自動で買い付けをしてくれます。
つまり購入するタイミングを考えたり、購入する手間が省くことができます。
新NISA運用のデメリット
損益通算や繰り越し控除ができない
損益通算とは2つ以上の口座の損益を合算することです。
繰り越し控除とは、損益通算をしても損失があった場合に、最大三年間繰り越して翌年の利益から差し引くことです。
新NISAはその対象外のため、例えばNISA口座と特定口座の合計の利益がマイナスでも損益通算と繰り越し控除はできません。
つまり支払う税金に違いが出ることになります。
旧NISAから新NISAへの切り替え
旧NISAではロールオーバーがなされていました。
ロールオーバーとは5年の非課税期間を迎えたときに、翌年の枠に入れなおすことです。
新NISAから投資を始めた場合は、保有期間が無期限になったため、ロールオーバー自体する必要がなくなりました。
ちなみに旧NISAから新NISAにロールオーバーはできるのでしょうか。
結論を言えば、旧NISAと新NISAは別枠扱いのため、旧NISAで持っていた商品を新NISAでロールオーバーすることはできません。
ただし、旧NISAの商品を一度売却して、新NISAで買いなおせば、実質的にロールオーバーしたことになります。
新NISAに関する疑問
新NISAは何歳からできるか
満18歳から口座開設が可能です。
新NISA口座を複数持つことはできるか
新NISA口座は一人一つしか持てません。
金融機関を一つ選んでそこだけで持つ事になります。
なお、金融機関の変更は年に一回しかできません。
旧NISA口座の枠を使っていると新NISA口座の枠はその分減るのか
新NISAと旧NISAは別枠になります。よって旧NISA口座の枠を使っていても、新NISA口座は1800万円分の投資枠を使用できます。
まとめ
新NISAは旧制度のデメリットが改善されて、資産形成が行いやすくなりました。
小額からでも始められるので、この機会にぜひ、一度試してみてはいかがでしょうか。
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